フランス語の開口母音と閉口母音・e ouvert et e fermé / Il faut que la voyelle soit ouverte ou fermée

英語には短母音と長母音というのもがあってこれはフランス語にはない概念だけれども、

英語では母音を短く発音するか伸ばして発音するかで意味が変わることがある。

sick [sík] / seek [síːk]

live [lív] / leave [líːv]

  

逆にその英語にはなくフランス語にある母音の概念に、開口母音閉口母音がある。

ちなみにポルトガル語にも開口・閉口母音があるから恐らくラテン語由来なのかもしれないですね。

 

 これは例えば母音 "e" を例にとると、

e [e] と発音するか e [ɛ]と発音するかで2つの違う母音として認識されるということ。

実際の音は聞いてもらうしかないのだけれど、僕なりの感覚では、

e [e](閉じた e、e fermé)は日本語の「エ」よりも口を両側に引いて発音。「イ」と発音する時とほぼ同じ唇の状態で「エ」と発音する。

 

e [ɛ](開いた e、e ouvert)は日本語の「エ」よりも更に唇を弛緩させて発音する。

敢えて言えば日本語の「エ」は e [ɛ](開いた e、e ouvert)に近い。

 例を挙げると、

ses enfans(彼の子供たち)

seize enfans(16人の子供)

ses は e [e]、seize は e [ɛ] で発音することによって違いが認識されます。

 

実際の会話の中では状況や前後の関係からこの開口母音、閉口母音を正しく発音しないことで全く理解されない、というところまでは行かないけれどかなり聞きづらくなることは必至なので、よりきれいなフランス語、そして誤解をできるだけ避けるためにはこの開口・閉口母音をしっかり意識することが大切です。

 

幾つか例を挙げます。

  e [e]                     e [ɛ] 

épée                    épais

filé                       filet

foré                      fôret

poignée               poignet

pré                      prêt

vallée                  valet

 

この開口母音、閉口母音で今まで知らなかったことがありました。

動詞の一人称単数 (je) の単純未来と条件法現在、そして同じく一人称単数 (je) の単純過去と半過去にこの開口・閉口母音の違いがあることをご存知でしょうか。

 

単純未来形 je parlerai は e [e](閉じた e、e fermé)

条件法現在 je parlerais は e [ɛ](開いた e、e ouvert)  で発音。

同じく、

単純過去形 je parlai は e [e](閉じた e、e fermé)

半過去形    je parlais は e [ɛ](開いた e、e ouvert)      で発音されます。

 

今まで僕は一人称の単純未来形と条件法現在は全く同じだと思ってました。が、ちゃんと正しく発音すればはっきり使い分けができるんですね。