フランス語・近頃の動詞、Impacter。この動詞は正しいのか?

言葉は時代の流れを受けて常に変わっていくもの。今、話されているフランス語と100年前、200年前のフランス語が違っていても当然。色々な他の言語の影響(今は特に英語)を受けて新しい単語が生まれ、消えていくのも当たり前のことと思う。けれど、同時にそれは「何でもあり」、「新しいものを無条件に受け入れる」というのとはまた違うはず。

新しいものを頑なに否定するのは賢いと思わないし、かと言って新しいものを安易に無条件に取り入れるのも、またいいこととは思わない。

 

自分の中では、本来の言語の中に十分に必要な単語なり表現があるにも関わらず安易に他の言語から取り入れるのはあまりいいことだとは思わない、という基準を持ってます。

 

フランス語の中で最近、猫も杓子も使うようになった動詞、

それが❝Impacter”

すぐに想像がつくように英語の to impact から入ってきて「影響を与える」「ショックを与える」という意味で使われます。発音はアンパクテ。

最近は一般の人たちだけでなく、テレビのキャスターもリポーターももう普通にこの動詞を使います。

La crise impacte l'activité économique.

のように。

が、実はまだ正しいフランス語としての市民権を得ていません、この動詞。

僕もこの動詞を使うのには非常に抵抗があります。というのは英語からわざわざ引っ張ってこなくてもちゃんとフランス語にはそれ相応の動詞、表現があるから。

influencer, avoir des conséquences sur ~, agir sur ~ , se répercuter sur ~, affecter, toucher, nuire à ~, avoir une incidence sur~, etc.

この他にもまだまだ言い方があるはずです。これらの動詞、表現を全部なくして impacter 一つに簡略化してしまうところに僕は抵抗を感じるんだと思います。

 

上の例文なら、

La crise impacte l'activité économique. ではなく

La crise affecte (touche) l'activité économique.

 

Les aliments riches en gras peuvent impacter notre santé. ではなく

Les aliments riches en gras peuvent nuire à notre santé.

 

Ce nouveau contrat impactera les profits de la société. ではなく

Ce nouveau contrat aura une incidence sur les profits de la société.

 

どうでしょうか。

僕はまだしばらくは impacter を使うことは避けようと思います。